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2022年を振り返る

 塩漬けにしていたこのブログを折角復活させたので、今年の記録でもつけようと思います。
ブログを書くのは十数年ぶりになるのでまずは感覚を思い出すところから…
Twitterに投稿した文章を一部編集し再掲載しています。

#2022年を振り返る

2022年のチケット半券枚数は91枚でした。
複数回観た作品もあるので、本数はもっと減ります。
一時期は年間3桁観劇/鑑賞をしていたこともあったので実数として減ったなと思いつつ。実感としてはセーブしたなと思っていても91回も何かを観たのかという感覚もあり。
この辺りが自分にとって満たされるラインなのかもしれないと思った2022年です。いや多いか。

2022年は、女性として人として尊敬する大好きな役者さん二人が舞台に立つ姿を拝めた年でもありました。

忘れがたい鑑賞体験

新国立劇場招聘 オデオン座『ガラスの動物園』

オデオン座『ガラスの動物園』は本当に素晴らしかった。
わたしの愛するフランス女優、イザベル・ユペールの来日公演として2020年に予定されていた公演が度重なる延期を経てようやく実現。それだけに感動もひとしおだった。
同時に、ヨーロッパではこんな緻密で大胆で刺激的な演劇が観られるのかというカルチャーショックも。

イザベル・ユペールお目当てでしたが、出演してる4名の芝居の上手さは言葉がわからないのに衝撃が走り、テネシー・ウィリアムズの戯曲面白さに開眼し、そう思わせる演出の手腕くらくらした。

映画で何度も観た、全身で叫ぶユペール様のお芝居がすぐそこに存在している感動。
ユペールの肉体がそこに在るだけで成り立つ説得力。ユペールの芝居がそこに在った。
舞台上で叫んだり引きずり回されたりする姿を目にすることができて(私の大好きなユペール様だ…)と気持ちが込み上げた。

アフタートークで「普遍的な魅力がある」と語られていたこの戯曲、演出により時代を感じさせない今日的な仕上がりになっていた。
学校を中退して仕事もできず、恋愛や結婚にも後ろ向きな長女ローラの抱える障害がフィジカルなものではなくメンタル的なものとして描かれているような様子には、直視するにはあまりにも苦しくなるほどの共感を感じてしまい。
それだけに物語後半、ローラと弟の同僚ジムとの二人だけのやり取りには一気に引き込まれ、そのあとには悲しさが一気に押し寄せてきた。
この余韻が素晴らしいものだった。

2年続けて公演中止になり、このコロナ禍で本当に上演されるのか席に着くまで信じられない気持ちでしたが、こうして素晴らしいプロダクションチームの作品を、イザベル・ユペールのお芝居を日本で観ることが叶って夢のようだった。
この招聘に携わった全ての方に感謝します。

SHINKANSEN☆RX
『薔薇とサムライ2ー海賊女王の帰還ー』

この世の憂さをすべて晴らすような劇団☆新感線の打ち上げ花火!!!
12年の時を経ていま再び舞台上に降り立ったアンヌという女神!!

アンヌ様と再会するためにわたしは人生という名の修羅道を今日まで鍛錬してきたのだと、心からそう思えた。 
今この時代にこうしてまたアンヌ様と再会できて、そして天海祐希というひとに出会えて本当に良かったと噛み締めるばかりのひとときでした。
アンヌという存在に今改めてエンパワメントされた作品でもあった。

国王になるべくして生まれてきた人なのに驚くほど親しみやすさがある、アンヌのことだけど天海さんのことでもあるように感じる。
0番で一番強い光を浴びる天海さんを目にして何度も涙した。

そして黒燕尾の天海祐希を生で2022年にお目にかかれる日が来るなんて思ってもみなかったものだから、はじめて目にしたときは昇天するかと覚悟を決めましたが。去り際の投げキス&ウインクコンボを決めてきた怪盗紳士を観て「ここは2022年だ!!!」と感じたのだった。男役当時の天海さんもあんなサービスしていない。

天海さんがファンに向けてよく仰る「私を応援する気持ちと同じくらい自分を応援してあげて」という言葉を観ながら何度も思い返した。
光は縋るものではなく自分の人生を歩くための道標。

コテコテと言ってもいい偉大なるマンネリズムの中に放り込まれた若者3人がまた素朴でいいな…と思いながら観ていた。若さだけじゃなくて素朴さが光っていてそこがとっても好ましかった。

またいつかアンヌ様にお目にかかれる日は来るのでしょうか。
その時まで、諦めずに生きて自分を磨いていようと『薔薇とサムライ2』を観たあとの自分はそう思えるのでした。

心に刻みつけた舞台

宝塚歌劇団月組『ブエノスアイレスの風』

2022年、最も多く観た舞台はこちらでした。
月組選抜メンバーによる正塚晴彦氏の『ブエノスアイレスの風』再演。

月組のホープとして入団当時から一身に期待を背負ってきた若手スター・暁千星さんの月組生として最後の舞台。
世代の近い男役として切磋琢磨する姿が微笑ましいなと思って観ていた暁千星・風間柚乃コンビも最後ということで、何度も劇場へ通いその芝居を心に刻みつけました。

行間のある会話劇、華美なだけではない宝塚歌劇を若手中心のメンバーで見事に打ち出した公演だったなと。
歌とダンス(タンゴ)のあるストレートプレイって趣きなのですよねもはや。
演劇作品としてハマり倒しました。

東京公演での日々が本当に充実していて楽しく、しかしこれで暁さんは月組最後か…と思うと情緒がめちゃくちゃに。
結果、大阪公演へ行く前からロスを起こすという未だかつて無いほどの引き摺り方を見せました。
何なら今でも引き摺り続けている。

ニコラスとイサベラ、暁・天紫の対等な関係性も大好きだった。
男女のあやうい関係がさまざま描かれる中で、ダンスパートナーとして関係を深めていくニコラスとイサベラ。人間同士として高め合っているその様子が繰り返されるタンゴから何よりも雄弁に伝わってくるのが良かった。
また女性にも意思があり自ら選択して生きていると描き出されているのもブエノスアイレスの風で好きなところ。

暁さんと風間さんの二人、良いコンビだと思っているのですが主演・二番手として立つ作品は新人公演含めてもこれ一本のみなんですよね。
そのことが本当に惜しい。
それでも最初で最後の作品がこの『ブエノスアイレスの風』で良かった。
異なる芸風でお互いを補い高め合える関係性がとても好ましかったのでいつかまた並ぶ姿が観られると良いなと、思っています。

大千穐楽でViento de Buenos Airesと共に気持ちが溢れてしまった暁さんの涙。
お互いを称えるような暁さんと風間さんの熱い抱擁、決して忘れません。

月組公演を振り返る

今年最も多く観劇したのは宝塚歌劇。中でも月組。
2022年現在は月組贔屓のためどうしても偏りがちなところはありますが、今年の月組作品は出色でした。

新トップコンビの大劇場お披露目公演となった『今夜、ロマンス劇場で』『FULL SWING!』から、上述の『ブエノスアイレスの風』と舞浜アンフィシアターでの新たな挑戦となった『Rain on Neptune』。

『グレート・ギャツビー』は小池修一郎氏の大作らしくゴージャスでスケール感がありながらも、決して大味にならず心のひだを描き出すような緻密な芝居が大変良かった。今の月組の団結力を強く感じられた公演でもあった。

年末の全国ツアー『ブラック・ジャック 危険な賭け』『FULL SWING!』では数年ぶりに座組と共に全国を巡り、ツアーの醍醐味を味わい尽くして。
全国ツアーも、もう一方の『ELPIDIO』も常にベストアクトを更新し続けていて、芝居の月組を堪能しました。

年始と年末を共に駆け抜けた今年唯一オリジナルショーとなった『FULL SWING!』は全国ツアー版でブラッシュアップされて、大好きなショーがもっともっと好きになった感動が溢れた。新場面がどれも小粋で快活で…ツアー仕様とは思えない景気良さに元気が出た。

宝塚歌劇団に関しては年末に心の痛むニュースもあり、今も考えが巡るばかりです。
どうか携わる全てのセクションの人たちの、心身の健康が守られますように。
そうあれる体制を望みます。

その他、思いつくままに

水中めがね∞『GOOD COW 権』

今年観たコンテンポラリーダンスの中でぶっちぎりに良かった。
それぞれが持つ肉体について考え訴えかけるカンパニーの姿勢をこれからも支持したい。

吉祥寺ダンスLAB.vol.5『千年とハッ』

緊張感の中にある心地よさ。暗闇に浮かび上がる身体、聞こえてくる声から、立ち上がる吉祥寺という場所。異なる表現による連帯。
あのとき体感した豊かな時間を忘れない。

渋谷区立松濤美術館『装いの力―異性装の日本史』

「ヤマトタケルからドラァグクイーンまで」という触れ込みだったけれど、古事記から始まった展示が最後ダムタイプの記録映像に辿り着くのは良かった。
サプライズのクロージングイベントとして、日本で唯一の女形芸者と言われるまつ乃家栄太郎さんが施設の中央にあるブリッジに登場。何とも非日常的な空間でとても美しい舞を拝見することができました。

セーラームーンミュージアム

原点にして頂点。
美しく繊細なカラー原稿をこの目に収められて幸せだった。


以上、今年観た忘れられないものたちを書き留めました。
触れられなかった作品についても、思いついたらまたいつか。

ここまで書いて、自分の文章を書く筋力がいかに落ちているかを痛感。
2023年はこのブログも活用しながら、もっと感じたことを書き留めて筋力アップさせたいですね。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

良いお年をお迎えください!

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